SNSの運用代行は怪しい?依頼しないほうよいケースと任せる時のポイント

SNSの運用代行は怪しい?依頼しないほうよいケースと任せる時のポイント
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SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったマーケティング戦略が当たり前のように実施される世の中になって、X(旧Twitter)、インスタ、TikTokなどのビジネスアカウントを代わりに運用するサービスを提供する事業者が増えています。

実際、自社でSNSを運用するノウハウがないときにプロに委託できるのは嬉しいですよね。しかし、運用代行を頼んだ結果、「お金だけ失った」という人たちも少なくありません。

この記事では、「SNSの運用代行は怪しい?」とい疑問について考察しています。そして、依頼しないほうよいケースと任せるときのポイントを紹介しています。どうか、これを読んだ事業者のみなさんは、情報の非対称性に騙されないでください。

目次

SNSの運用代行は怪しい?

そもそも、SNSの運用代行は怪しいサービスなのでしょうか?

結論から言えば、SNSの運用代行は決して怪しいサービスではありません

インスタグラムやX(旧Twitter)などの広告宣伝が販売戦略の一環として利用されている今日において、SNSのマーケティング領域にビジネスチャンスを見出すのは、何ら不思議なことではありません。実際、大手広告代理店の電通や博報堂の系列企業でもソーシャルメディアを起点としたコンサルティングを提供しています。

けれども、なかには、中身のない見せかけだけの事業者も存在します。これはSNSの運用代行に限った話ではなく、どの業界にも大企業のサービスを利用する経済力のない零細企業を狙った胡散臭いビジネスマンは存在するのです。だからこそ、「何を頼むのか?」と同じくらい「誰に頼むのか?」という視点が重要です。

依頼しないほうよいケース

それでは、SNSの運用代行を依頼しないほうがよい例として、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、筆者自身の経験を踏まえて結果を出せないと予測できる3つのケースを紹介します。

ケース1 代表や会社の知名度が低い

第1に、代表や会社の知名度が低い事業者のSNS運用代行サービスは使わないほうがよいです

そもそもSNSマーケティングのプロであるにもかかわらず、自社で管理するアカウントや投稿が世間で注目されていないのはおかしいですよね。自分たちをバズらせることができない事業者に他社の商品やサービスを拡散する力はあるのでしょうか?

もちろん、あなたの事業分野に関する他社の導入実績や成功事例を持っている可能性はあります。その場合は、事実と再現性の根拠を確認した上で利用を検討するのもよいでしょう。しかし、サービスを売るために自分たちに都合よく創作されたストーリーであうかもしれない以上、自社をバズらせる力を判断軸にするのが無難です。

ケース2 自動化ツールだけを使用する

第2に、SNSに関する知見が全くない状態で自動化ツールだけを使うのはやめたほうがよいでしょう

そもそもフォロワーを自動で獲得するツールは、X(旧Twitter)やインスタグラムでは禁止されています。

フォローとフォロー解除の自動化: Xアカウントを大量または無差別にフォローしたり、フォロー解除したりしないでください。過剰なフォローはXルールで禁止されています。詳しいルールについては、「フォローのルールと成功事例」をご覧ください。また、利用者がフォロワーを増やせると謳うアプリケーションも、Xルールで禁止されています。

Xヘルプセンター『自動化ルール』より引用(最終確認日:2023年9月29日)

Instagramでは本日以降、サードパーティアプリを使って知名度を高めているアカウントから、偽の「いいね!」、フォロー、コメントを削除します。私たちは機械学習ツールを開発することで、こうしたサービスを利用しているアカウントを特定し、不誠実なアクティビティを削除できるようにしました。このような行為はコミュニティに悪影響を及ぼします。また偽の「いいね!」、フォロー、コメントを生み出すサードパーティアプリはInstagramのコミュニティガイドラインと利用規約にも違反します。

インスタグラム『Instagramでの不誠実なアクティビティに対する削除措置』より引用(最終確認日:2023年9月29日)

上記の引用を踏まえると、最悪の場合、自動化ツールを使用すると、あなたのアカウントは凍結されるかもしれないのです。なかには、規制を掻い潜ったツールを提供している事業者も存在しますが、SNSの事業者が定めるルールを破っている以上、真っ当なビジネスマンと言えるかは甚だ疑問です。

加えて、自動化ツールで獲得したユーザーとは信頼関係が形成されているわけではありません。

そのため、フォロワー数が増えているだけで、投稿しても誰も見ないアカウントが出来上がってしまうんです。ハリボテのような状態で商品やサービスを紹介すれば、「この人たち、フォロワーを買っているんじゃない?」とかえって不信感を抱かれる結果になりかねないので、自動化ツールだけを使うのはおすすめできません。

ケース3 講座で勉強した個人に営業された

第3に、SNSマーケティングの講座で勉強だけした個人に営業された場合は断ったほうがよいでしょう

近年、商売のノウハウを切り売りしたエセ教育ビジネスが横行しています。SNSの運用代行もまた「稼げる」と謳った教育プログラムの教材になっており、それを受講した個人が零細企業を対象に営業をかけているのをよく見聞きします。

正直、この手のサービスは質がかなり悪いです。失礼を承知で言いますが、SNSマーケティングを事業化して客から金を取れない実力不足の人がネットでググった知識を集めて教材を作り、あたかもプロのように個人を食いものにしているのが大半だと思います。その結果、胡散臭いマーケッターが量産されているんです。

ブログやせどり、FXなども、この種のエセ教育ビジネスでよく取り扱われていますが、「稼げるなら自分でやって事業拡大すればよいのに、どうしてやらないの?」と聞くと、「いや、自分だけ稼いでも意味がない」とかまだやってもいないことを平気で言います。

教えたり、代行したりする前に、まずは自分で圧倒的な結果を出すのが先ではないでしょうか……。

SNSの運用代行を任せる時のポイント

それでは、SNSの運用代行を任せるときには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか?

ここでは、依頼時のポイントをリストアップしておきます。

SNSの運用代行を任せるときのポイント

  • その1 担当者に商品とサービスを詳細に理解させる。
  • その2 商品やサービスを利用する顧客像を具体化する。
  • その3 その顧客像に該当するユーザーとの信頼関係を構築した数にこだわる。
  • その4 商品やサービスの「認知数」ではなく「購入数」の増加に貢献させる。
  • その5 結果が出るまでのスケジュールを具体化する。
  • その6 年間契約ではなく必ず試用期間を設ける。

もちろん、SNSのアカウント運用は一朝一夕にはいきませんから、ジャンルによっては結果が出るまでに相当な時間がかかる可能性はあります。それならば、いっそのこと費用対効果の観点から別な広告手法を選択したほうがよいかもしれませんから、担当者と結果が出るまでのスケジュールを詳細化するのが大切です。

数字に騙されないで!

SNSのアカウントと言えば、フォロワー数やいいね数、シェア数などの数字に目がいきがちです。当然、広告の効果を定量的に把握するうえで数字は大切です。

しかし、見せかけの数値に騙されてはいけません。実際、SNSの運用代行サービスを提供する事業者のなかにはフォローやいいねを買ったり、フォローバックで適当に数を増やしたりする詐欺師もいるのです。商品やサービスが売れるまでの導線を具体化した運用のプロセスがはっきりしない時点で失敗します。儲かりません。

「安物買いの銭失い」にならないように広告宣伝の手法としてSNSの運用代行をすべきかどうかを含めて、じっくりと検討しましょう。話題のChat-GPTを活用して、商品やサービスの特徴と顧客像を具体化したうえで適切な広告手法を尋ねてみるのもよいかもしれませんよ。

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この記事の監修者

森本 恭平のアバター 森本 恭平 マーケッター

1990 年生まれ。慶応義塾大学福澤諭吉文明塾 CP7期生。公共法政策修士(東北大学)。 研究分野はレジリエンスの社会政策。2017年より東日本国際大学・福島復興創世研究所の准教授として福島復興の研究及びプロジェクトに携わる。現在はオウンドメディアの開発・運用・売却、データ解析、SEO対策、SNSを含む広告宣伝の企画と運用、記事作成、CIデザインなどマーケティングに関わるサービスをワンストップで提供している。福島県総合計画審議委員会の審議員を歴任。

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