iPhoneでGoogleを開いてネットサーフィンしている際に、「ご使用のiphoneに14種類のウイルスが検出されました」という警告が表示されて焦ったことのある人たちもいるはずです。その他にも、ウイルスの感染を知らせるさまざまな警告文が突如として出てくるケースがありますが、事実なのでしょうか?
この記事では、「iPhoneのウイルス感染画面は本物なのか?」という疑問について言及しています。また、iPhoneのウイルス感染状況を確認する方法や感染後のリスクも紹介しているので、iPhoneを日常的に使用している人たちは参考にしてみてください。
iPhoneのウイルス感染画面は本物なのか?
さて、iPhoneに表示されるウイルス感染画面は本物なのでしょうか?
結論から言えば、iPhoneに表示されるウイルス感染画面のほとんどは偽物です。すなわち、利用者に対して「ウイルスに感染した」という恐怖を煽ることで、全く必要のない有料アプリケーションを買わせるための詐欺を目的としているわけです。
そもそもiPhoneは、その他の端末と比べてウイルスに感染しづらい端末として有名です。例えば、アプリは原則としてAppleの厳格な審査を通過したうえでApp Storeを経由しない限り、ダウンロードできないようになっています。
さらに、iPhoneで起動するアプリは「サンドボックス」という仕組みによって管理されます。サンドボックスとは、それぞれのアプリが関与できる領域を区切ることで、その他の仕組みに影響を及ぼさないようにするセキュリティ対策です。Appleの公式ページでも次のように説明されています。
他社製Appはすべて「サンドボックス化」されるので、ほかのAppによって保存されたファイルにアクセスしたり、デバイスに変更を加えたりすることはできません。
Apple公式サイト『iOSおよびiPadOSでのランタイムプロセスのセキュリティ』より引用
以上のことから、iPhoneが特定のWEBページを開いただけでウイルスに感染することは滅多にないわけです。ウイルス感染の警告画面が出てきても、無視するように心がけましょう。
ウイルス感染画面の偽物一覧
それでは、実際に、iPhoneに表示されるウイルス感染画面の具体例について紹介していきます。事前に偽物の情報を覚えておくことで、ウイルス感染を警告されても落ち着いて対処することができるはずです。
iPhoneに表示されるウイルス感染画面の偽物一覧
特定のサイトにアクセスした際に、上記で紹介している画面が出てきたときは、ただちにブラウザを閉じてください。なかには、カウントダウンを実施して、迅速な対応を迫ってくる悪質な偽物も存在します。けれども、すべて詐欺ですので、その画面が推奨するアプリやソフトを利用してはいけません。
とはいえ、ユーザーを騙そうと企んでいる犯罪集団はさまざまな手法を駆使しますから、ウイルス感染画面の偽物を把握したからといって安心はできません。ですから、iPhoneのセキュリティに関する基本的な仕様を学んでおくことで、騙されるリスクを下げることができるでしょう。
なお、iPhoneに「マルウェアWebサイトの警告」という表示が出てきたら、それは本物の注意画面なので気をつけてください。マルウェアとは、詐欺目的で作成された悪意のあるソフトウェアやコードを意味しています。
マルウェアWebサイトの警告
このWebサイトは危険性のあるソフトウェアをインストールしようとする可能性があり、それよってお使いのコンピュータが損害を被る、またはパスワード、写真、クレジットカードなどの個人もしくは財産に関わる情報が盗まれる場合があります。
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iPhoneのウイルス感染状況を調べる方法
けれども、いくらiPhoneのセキュリティが優れているとはいえ、ウイルスの感染状況について事実を知りたいという人たちもいるはずです。実際のところ、iPhoneがウイルスに感染していることを調べる方法はあるのでしょうか?
残念ながら、iPhoneには、ウイルススキャンの機能は存在しません。むしろ、「ウイルスの感染を調べられる」と謳っているソフトウェアは、それ自体が詐欺目的の危険な代物である可能性があります。
繰り返しになりますが、iPhoneはセキュリティに強い端末です。そのため、「脱獄(Jailbreak)」という特殊な改造を実行していない限りは脆弱なソフトウェアが入り込むことは滅多にありません。
もし、どうしても不安になったときは、Appleのカスタマーサービスに相談してみましょう。
偽物の警告に騙された時の対処法
万が一、ウイルス感染を警告する偽物の画面に騙されて、何らかのソフトウェアをダウンロードしてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
結論から言えば、あなたがソフトウェアをダウンロードする際に、クレジットカードの情報を入力したのであれば、ただちに停止手続きを実行してください。これが最も優先すべき対応です。「これくらい大丈夫」と油断していると、後日に身に覚えのない請求が発生する危険性があります。
続いて、ダウンロードしたアプリやソフトウェアを端末から削除しましょう。先ほども述べたとおり、iPhoneのアプリは影響範囲をサンドボックスで限定されているため、それ自体が致命的な情報漏洩を引き起こす可能性は低いと言えます。
しかし、アプリ内で個人情報を入力している場合、その情報は悪用されるおそれがあります。クレジットカードなどの金銭に関わる情報は不正利用される危険性が高いので、何よりも優先して対応することを推奨します。
犯罪集団の手口は巧妙化しているので、騙されたことを気に病む必要はありません。悪いのは彼らですから、自分を責めるのはやめましょう。ただし、損を被るのは自分自身ですから、これを機会に注意深くなるのは大切なことです。
ブラウザ上でいきなり表示されるのは偽物
繰り返しになりますが、iPhoneのセキュリティレベルは想像している以上に高いです。したがって、普通に使っている限り、ウイルスに感染することは滅多にないと言えます。その意味では、ブラウザ上でいきなりウイルスに感染したことを警告してくる表示は基本的に偽物であると理解しておきましょう。
万が一、騙されてしまった時もクレジットカードを停止するなど、迅速な対応を心がけることで被害を最小限に抑えることが可能です。知識があるだけで自分の身を守れることもありますから、ネット犯罪に巻き込まれないように最新情報を定期的に把握することを推奨します。
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