ウィキペディアの寄付は怪しい?「もうたくさんです」と来るのは本当?

ウィキペディアの寄付は怪しい?「もうたくさんです」と出るのは本当?
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Wikipedia(ウィキペディア)を利用している際に、画面上で「寄付のお願い」に関するポップアップが出てきて驚いた経験のある人たちもいるはずです。運営元について知らない人たちからすれば、いきなり金銭を要求する行為にネガティブな気持ちになることもあるでしょう。

この記事では、「ウィキペディアの寄付は怪しいのか?」という疑問について考察しています。また、うざいとネガティブに評価される理由や寄付を連続で実施した場合に「もうたくさんです」と通知される真偽にも言及しているので、ウィキペディアに興味のある人たちは参考にしてみてください。

目次

ウィキペディアの寄付とは?

Wikipedia(ウィキペディア)は、ウィキメディア財団という非営利団体が運営するインターネット百科事典です。中立性・独立性・公平性を保つために、各ページに企業広告は一切掲載されていません。これに関しては、公式サイトにも次のように言及されています。

ウィキペディアは他のサイトとは異なります。広告、購読料、ペイウォールはありません。ここにはふさわしくないからです。ウィキペディアは、偏見や意図から解放された学びの場です。

Wikipedia公式サイト『すべての人がいつまでも平等に知識を得られることを私たちは望んでます。』より引用(最終確認日:2024年1月6日)

ウィキペディアの活動資金は寄付によって支えられてます。企業広告に依存せずに済むのは、ユーザーからの支援があるからなのです。具体的には、1ドルから寄付できます。支払い方法はクレジットカード、PAYPAL、GooglePAYの三種類です。詳細は以下のページから確認してください。

ウィキペディアの寄付は怪しい?

なかには、ウィキペディアの寄付に対して「怪しい」と疑いを持っている人たちもいるかもしれません。とりわけ、特定の時期になると、何度も寄付を依頼する広告が表示されるため、ウィキペディアの実情を知らないと怪しく感じるのも無理はありません。

結論から言えば、ウィキペディアの寄付は決して怪しいものではありません。ウィキペディアを運用するウィキペディア財団はアメリカ合衆国のフロリダ州法に基づく非営利組織であり、運営資料もちゃんと公開されています。その意味では、安心して寄付できる団体と言えるでしょう。

寄付の広告にうざいと感じる理由

しかしながら、ウィキペディアからの寄付に「うざい」と感じる人たちもいるようです。実際に、ソーシャルメディア「X」の検索エンジンで「Wikipedia 寄附 うざい」と調べるみると、次のような声がいくつか散見されます。

スクロールできます

ここでは、ネガティブな評価を受ける代表的な理由について説明していきます。

理由1 依頼する文章がうざい

第1に、ウィキペディアが作成している寄付の依頼に関する文書がうざいという人たちがいます。

その時によって異なりますが、ウィキペディアでは次のような日本語で寄付依頼が表示されます。

ウィキペディア 寄付 日本語 テキスト

日本の読者の皆様、こんにちは。お邪魔して申し訳ありませんが、この土曜日にウィキペディアはあなたのご支援を必要しています。読者の98%は寄付をしてくださらず、見て見ぬふりをします。あなたがご希望の記事を読む前に私たちがお願いしているのは¥300、あるいはあなたがお支払いいただける金額のご寄付です。どうぞスクロールせずに、ご支援をお願いいたします。

たしかに、まるで寄付をしない人たちが悪者のような言い方は、ユーザーに誤解を与えるおそれがありますよね。むしろ、「自分たちが何のためにウィキペディアを運用しているか?」という目的を誠実に表現したほうが受け入れやすい人たちが多いはずです。

理由2 リマインドメールがしつこい

第2に、寄付の画面で「またあとで」を選択するとリマインドメールを送ろうとアドレスを取得するページに遷移することがあるため、「しつこい」と感じる人たちもいます。

事業が寄付金で成り立っている以上、なりふりかまってられないのは理解できます。けれども、寄付行為を推進するためにリマインドメールまで送信するのは、「やりすぎ」と思う人たちもいるわけです。

寄付はあくまでも善意によって成り立つ行為だという考え方がある人たちにとっては、相手から執拗にお願いされ続けるのは受け入れられないのかもしれません。

理由3 寄付すると何度も連絡が来る

第3に、一度寄付すると何度も連絡が来るようになるのがうざいと感じる人たちもいるようです

ウィキペディアの担当者からすれば、寄付をしてくれた人は今後も引き続き金銭を支払ってくれると考えます。要は、リピーターになると判断できるわけです。だからこそ、定期的に寄付をお願いする相手としてリスト化されて、時期を迎えると連絡がくるのです。

これに対して、「がめつい」と思う人たちはいるでしょう。ただ、全体2%しか寄付する人たちがいないならば、一度寄付したユーザーは貴重な存在です。実際、残りの98%にアプローチするよりも、はるかに確度の高い依頼であるとも言えます。しかし、あまりにもしつこいと逆効果になるに違いありません。

「もうたくさんです」とメールが来るのは本当?

なお、ウィキペディアに寄付をし続けると、「もうたくさんです」という件名が入ったメールが来ると言われていますが、本当なのでしょうか?

結論から言うと、ウィキペディアから送信される「もうたくさんです」という件名が入ったメッセージは寄付がいっぱい集まったことや寄付額に対する感謝を示すメッセージではありません

これは、ウィキペディアに対する社会的批判として「独自でマネタイズしろ」という圧力に向けられた彼らの言葉です。メッセージを読んでみると、ウィキペディアが広告や有料会員による収益化を避けてきたことに対するポリシーを主張する内容になっています。

「もうたくさんです」とメールが来るのは本当?

たしかに、寄付だけで世界規模のインターネット百科事典を運営するのはとんでもない努力があったことでしょう。多くの情報メディアがスポンサーを意識したコンテンツ提供をせざるを得ないなかで、中立性を貫くために目の前のお金に飛び付かない姿勢は素晴らしいものです。

ただ、人間がテキストを記載する以上、中立的な内容は存在しません。事実すら選択される時点で恣意性があります。その意味では、彼らの言うところの中立性・公平性はあくまでも自分たちのポリシーに対するものと言えるでしょう。

怪しい団体ではない

ウィキペディアを運営するウィキメディア財団は決して怪しい組織ではありません。NPOとして信念を持って活動している団体です。寄付した金銭が詐欺行為に使われる可能性は基本的にないと言ってよいでしょう。

とはいえ、日本ではキリスト教文化に見られるような自己完結的な寄付行為は浸透していません。どこまでいっても、寄付する人と寄付される人の間に生まれる真心の関係から金銭の受け渡しが生まれていきます。だからこそ、過剰なお願いは嫌われるわけです。

その意味では、ウィキペディアは日本人の文化に配慮したコミュニケーションの設計ができていないとも評価できます。ここを改善すれば、今よりもっと寄付が集まるかもしれないのでもったいないですね。

ウィキペディアの寄付は怪しい?「もうたくさんです」と出るのは本当?

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この記事の監修者

D-Terminal編集部はSNS、オンラインコミュニケーションツール、AIなどのデジタル領域における問題解決に資する最終地点として、読者の皆様に記事形式で情報を伝達するプロフェッショナルです。デジタル分野に知見のあるライター、編集者、校閲者から構成されたチームで記事を制作しています。

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