みなさんのなかには、他人の投稿を見るためだけに、X(旧ツイッター)を使い始めた人たちもいるはずです。実際、さまざまなジャンルでリアルタイムの情報がアップロードされているので、Xは「見る専」でも十分に楽しめるソーシャルメディアであると言えます。
しかしながら、自分で投稿したり、他人と交流したりするわけではなくても、初心者が見るだけで使うときに注意すべきことがあります。この記事では、X(旧ツイッター)を見るだけでも注意すべき危険性について解説しています。Xを使い始めて間もない人は参考にしてみてください。
X(旧ツイッター)を見るだけでも注意すべき5つの危険性【初心者必見】
さて、X(旧ツイッター)には、見るだけでアカウントを利用するときでも注意すべき事柄として、どのような危険性があるのでしょうか? ここでは、大きく5つの視点から見る専の人たちが気をつけたほうがよいリスクについて説明します。
その1 連絡先を連携すると知人にバレる
第1に、アカウントに電話番号やメールアドレスを連携すると、家族や友人にバレる危険性があるので注意してください。
Xでは、端末の連絡帳に登録されている電話番号から作成された知人のアカウントを共有する機能があります。具体的には、「あなたの知り合いの〇〇さん(ユーザー名)がXに参加しています」という通知が届きます。
本名ならまだしもバレないことを前提にアカウントを作成している場合、周りから思いも寄らない誤解を受けるおそれがあるので注意してください。なお、連絡先の連携を解除する方法は以下のとおりです。
Xでアカウントと連絡先の連携を解除する方法
その2 アカウントを乗っ取られる
第2に、Xを見るだけでもセキュリティが甘ければ、アカウントを乗っ取られる危険性はあります。
残念ながら、Xには、他人のアカウントを奪って詐欺や嫌がらせをはたらく輩が蔓延っています。特に、パスワードが生年月日や同じ番号の羅列など解読しやすい英数字の組み合わせにしていると、ハッキングで乗っ取られる危険性があるので、くれぐれも気をつけてください。
万が一、アカウントが奪われてしまったときは、以下のリンクからXのサポートチームに連絡しましょう。今後、乗っ取りの被害を受けないように2要素認証などセキュリティを向上させる措置を必ず実行してください。
警視庁の報告によれば、不正アクセス禁止法違反で逮捕されている人たちもいます。ソーシャルメディアに絡んだ犯罪も増えてきているので、巻き込まれないように注意してください。
アルバイトの男(25)は、平成29年12月から令和元年5月までの間、SNSにおいて、元交際相手のID・パスワードを無断で使用して不正アクセスし、同アカウントを乗っ取り、同人を誹謗中傷する内容を投稿して名誉を毀損した。令和2年2月、男を不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)等で検挙した (広島)
警察庁『令和2年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』より引用(最終確認日:2023年10月16日)
その3 スパムで個人情報が盗まれる
第3に、スパムリンクをクリックして個人情報を盗まれる危険性があるので、不用意にURLをタップしないように気をつけましょう。
繰り返しになりますが、Xには、ユーザーを騙して金銭を奪い取ろうとする悪人もいます。
例えば、他のサービスになりすました偽アカウントが共有するURLにアクセスした結果、ログインとパスワードを抜かれるなんて被害も起こり得るのです。特に、クレジットカードの情報が盗まれてしまうと、莫大な損害を被るおそれがあるので注意しなければいけません。
得たいの知れないURLにアクセスすることだけは絶対にしないでください。詐欺グループの手口は巧妙化していますから、みんなが利用しているように演出しているおそれもあります。
その4 センシティブな投稿でトラウマになる
第4に、Xの見る専でもセンシティブな画像や動画を閲覧してトラウマになる危険性があります。
Xをはじめとするソーシャルメディアでは、ショッキングな映像コンテンツが日常的に投稿されています。例えば、ホラー映画の切り抜きやエログロ系の動画など見るだけでも、心理的な不安に繋がるような投稿も少なからずあるわけです。
もちろん、Xルールで暴力的な内容の投稿は制限されています。しかし、リアルタイムだからこそ取締りきれないのも実情です。悲しいことに、過去には飛び降り自殺する様子を撮影した動画が拡散したこともあります。
個人を起点とするメディアだからこそ、「人の死」すらコンテンツになる危険性があるのです。その無情さに人間不信になる人もいるかもしれません。いずれにしても、見知らぬ他人が集まっている空間ですから、モラルを欠いた投稿もあるので注意してください。
センシティブな投稿の表示を制限するリミットを外さないでおくのも賢い選択です。
その5 お金配りアカウントに騙される
第5に、お金配りアカウントに騙されて詐欺被害に合う危険性もあります。
Xでは、怪しいお金配りのアカウントが活動しています。具体例を挙げると、「余命半年で独身の自分には貯金を使いきれないから、どなたかもらってください」と嘘をつき、いくらでも偽造できるネットバンクの口座情報を添付した投稿を拡散させているのです。
「そんな都合の良い話に騙されるわけがない」と思う人もいるかもしれませんが、お金がなくて心の底から困っている人は追い込まれているがゆえに、状況を都合が良いように解釈するおそれがあります。その結果、なりふり構わずにフォローやリポストするわけです。
けれども、その背景には騙されやすい人のリストを作り、別な詐欺に引っ掛けようと考える恐ろしい企みが存在しているかもしれないのです。Xを見るだけでも、パッと目に入るタイミングで騙されるリスクが常にあることを忘れないでください。
動画や画像を見るだけでウイルスに感染する?
なお、上記のほかにも、X(旧ツイッター)に投稿されている動画や画像を見るだけでウイルスに感染するリスクを心配している人たちもいるかもしれません。実際のところ、どうなのでしょうか?
結論から言えば、Xで動画や画像を見るだけならウイルスに感染する危険性はありません。
ただし、外部サイトにアクセスするURLをタップすると、スマホやPCがウイルスに仕込まれるリスクがあるので注意してください。加えて、悪質なサードパーティーが開発したアプリケーションとアカウントを連携していると、ログイン情報が盗まれることがあるので得たいの知れないサービスは使わないでおきましょう。
アカウントなしで見るだけはできなくなった
2023年10月16日現在、X(旧ツイッター)は、アカウントなしで投稿を見るだけで使うことができなくなっています。ひと昔前は「高度な検索」システムを使えば、ログインしていなくとも他人がアップロードしているテキスト、動画、画像を閲覧できましたが、イーロン・マスク氏によって仕様が変わったと考えられます。
合理的に考えれば、非会員にXを利用させたところでビジネス上のメリットはありませんから、アカウントとログインを義務付けるのは自然なことかもしれません。事実、Twitterだった頃は赤字が当たり前で社会的な必要性があるから維持できる状態でしたから、その体質を改善しようとしたのでしょう。
とはいえ、「金を稼ごう」という商業っぽさが露骨に出てくると、それが嫌で離れるユーザーもいます。もしかしたら、今後10年で過去に培われた「地球の声」と形容される言論空間は解体されていくかもしれません。
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