みなさんのなかには、Wikipedia(ウィキペディア)に掲載されているさまざまな情報を見たことのある人たちもいるはずです。インターネット百科事典として日本国内でも有名なコンテンツであり、だれでも無料で閲覧できることからポピュラーなサービスとして定着しています。
しかしながら、運営元が海外の団体であることに加えて、突発的に寄付の依頼が表示される様子を見て、「得体の知れない危険なサイトなのかも?」と疑問を持っている人たちもいるかもしれません。実際のところ、ウィキペディアには利用上の危険性はあるのでしょうか?
この記事では、「ウィキペディアに危険性はあるのか?」という疑問について考察しています。また、情報コンテンツとして利用するときの距離感にも言及しているので、日頃からウィキペディアを利用している人たちは参考にしてみてください。
ウィキペディアに危険性はある?
さて、ウィキペディアには利用上の危険性はあるのでしょうか?
結論から言えば、ウィキペディアに掲載されている各ページを閲覧することに危険性はありません。ウィキペディアは「ウィキメディア財団」というアメリカを拠点に活動する非営利団体が運営する事業です。「知識の開放」をテーマにインターネット百科事典として一定の地位を確立しています。
また、ウィキメディア財団は運営情報を公開するなど、透明性を確保した経営を行なっており、社会的な信頼のある事業者と言えます。したがって、基本的には安全なサービスであると評価できます。
ウィキペディアを利用するときの注意点
ただし、ウィキペディアを利用するときには、いくつか注意しなければいけない点もあります。ここでは、代表的な3つの気を付けるべきことを紹介します。
注意1 情報に偏りがある
第1に、ウィキペディアの情報には偏りがある場合があります。
ウィキメディアは「中立性・公平性」といったフラットな情報提供を心がけています。実際、スポンサーがいない以上、特定の広告主に配慮したイデオロギーを展開していないのは高く評価できるでしょう。
けれども、だからと言って、各ページに記載されている情報に偏りがないわけではありません。もっとも、人間が表現する全ての情報には当人の価値観が少なからず反映されています。例えば、それが客観的な事実だったとしても、それを表現することに意図は存在しています。
そのため、「ウィキペディアの情報だから中立で正しい」と決めるつけるのは危険なのです。
注意2 コピペはNG
第2に、レポートなどにコピペするのはNGです。
とりわけ、大学生のなかには、ウィキペディアをコピーしてレポート課題を終わらせようと考える人たちもいると考えられます。しかし、それはすぐにバレると言ってよいでしょう。授業のガイダンスでも、外部の文献をコピーしてはいけないとレクチャーがあったはずです。
ウィキペディアは引用を含めて特定のトピックについて詳細な記述を提供しています。そのため、レポートを書くには便利な材料ではありますが、丸写しはやめましょう。最悪の場合は単位を落とすことになりかねません。
注意3 広告が出たらウィルス感染を疑おう
第3に、ウィキペディアの画面を開いたときに外部サービスの広告がポップアップで表示されたら、ウィルスに感染している可能性を疑いましょう。
ウィキペディアは外部の広告を一切導入していません。それにもかかわらず、PCやスマホの画面にウィキペディアとは無関係なバナー画像が表示されたら、端末にコンピュータウイルスが仕込まれているおそれがあるので注意してください。
ウィキペディアは寄付で成り立つサービスであることをポリシーにしています。今後も基本的に広告が導入されることはないと考えられるので、画面に異常を感じたら専門家に相談することをおすすめします。
ウィキペディアは間違いだらけなのか?
なお、ウィキペディアの各ページに記載されている内容は間違いだらけなのでしょうか?
これに関しては、それぞれのページごとに間違いもあれば、正解もあるのが実態です。いうまでもなく、ウィキペディアはユーザーの自主的な執筆によって運営されています。そのなかには、学術的な専門性を持った個人もいれば、一次情報と二次情報の区別もつかない個人もいるでしょう。
流石に、嘘八百の間違いだらけの状態とまでは言いませんが、全てのページが学術的に中立な立場で書かれているわけではないことに注意する必要があります。最終的には、自分で一次文献を調べて、真偽を確定するように努めましょう。
利用するだけなら安全なサービス
ウィキペディアは悪質な事業者にとって運営されているわけではありません。米国の法律に準拠したNPO法人がポリシーを持って運用するインターネット百科事典です。そのため、利用するだけなら安全なサービスと言えます。
もちろん、情報という側面から注意しなければいけないことはあります。しかし、それはウィキペディアに限った話ではなく、インターネットで情報収集する上で必ず意識すべきことだと言えます。これを機会に、情報との距離感をよく考えてみることをおすすめします。
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